合理的に予見可能な誤使用

設計者は意図を持って製品を設計する。

当たり前のことではあるが、

ユーザーが設計者の意図した使用をすることで、

製品は機能を提供することができる。


随分以前は、ユーザーは取扱説明書を読みながら、

取扱説明書が解りにくいと愚痴をこぼしながらも、

正しい使い方を理解しようとして、製品と向き合っていた。

メーカー側が、ユーザーよりも優位な立ち位置にいたのかもしれない。


少し前からは、状況が変わり、

ユーザーが取扱説明書を熟読しなくても、

製品の梱包を解いて直ぐに、直感的に使い方を理解できることが

望まれるようになっている。


例えば、電源スイッチは電源スイッチしてのデザインが求められ、

人間工学に則った配置や大きさであることが求められている。

設計者の意図が製品自身に反映されることが

求められるようになっているとも言える。


サービス提供においても、

ユーザーがサービスを利用する時に、

直感的にサービス利用の手順が理解できることが望まれる。

例えば、駅でコインロッカーを利用する時に、

ユーザーが迷うことなく、交通系ICカードで荷物等を預けることができたり、

Webサイトでストレスなく買い物ができたりすることである。


ソフトウェアについても、

ユーザーが画面に表示されたメニューとアイコンで、

やりたい作業を実行できることを一番の優先順位で設計される。


益々、設計者の意図が重要になってきている。

製品、サービスやソフトウェアなど、有形・無形に関わらず、

これら製品等を通して、設計者は、設計者の意図をユーザーに伝えることになる。

この意図が正しく伝わらない時に、

ユーザーの生命・財産に影響を及ぼす安全面での問題が

引き起こされる可能性が生じる。


製品等の安全の観点では、

ユーザーが製品等を使用するケースを、

「意図する使用」、「意図しない使用」と「誤使用」と分類して検討を行っている。


意図する使用とは、

設計者が設計した手順等に沿ったユーザーでの使用をいう。

意図しない使用とは、

設計した手順等とは異なる手順等で製品等を使用することをいう。

例えば、

洗濯機を使う時に予め洗剤や柔軟剤をセットしておくことが

意図した使用で、

後から洗剤を投入したり、予め下洗いした汚れものを洗濯機に投入したりするのは、

意図しない使用にあたる。

洗濯機で飼っている猫を洗うのは、誤使用である。


誤使用については、「合理的に予見可能な誤使用」と定義がある。

設計において、ユーザーが陥る可能性のある誤使用を

「合理的に」、「予見」し、その誤使用への対策を講じるということである。

「合理的に予見可能な誤使用」をきちんと定義できれば、

一つひとつの対策を講じることは、難しくない。


では、どのようにして設計段階で、誤使用を合理的に、予見できるのか?

ユーザーから見れば、

誤使用とは製品等の持つ顧客価値を

ユーザーの持つ目的のために使用したということである。

従って、誤使用を予見するためにはユーザー視点が必要になる。


誤使用例を思いつく限り列挙するのも、誤使用の予見であるということはできる。

しかし、列挙された誤使用例は、

ふと頭に浮かんだ思いつきやユーザーや

製品等への思い込みに基づく発想であるかもしれない。

これでは、可能な限りの誤使用を列挙できているを検証することは難しい。

どのようなプロセスや考え方で誤使用を発見したかの追跡することもできない。

合理的であるということは、

一つひとつの成果物を第三者へ説明ができ、

第三者がそれを検証・再検討できることであると考える。

たとえ、結果として同じ誤使用が予見されたとしても、

誤使用を引き出すプロセスが意味を持つということである。


顧客価値駆動型開発プログラムは、

顧客価値の創造を目的にして、

製品等やユーザーへの思い込みを排除し、

新しい、多様な視点プロセスで、真の顧客価値を検討する。

つまり、顧客価値駆動型開発プログラムを用いて、

様々な視点で製品等の顧客価値を再定義した結果と

ユーザーのお困りごとやご要望を分析した結果との

関係性をプロセスに沿って分析・検証していくことで、

思いつきや思い込みではない、合理的な予見が可能になるということである。


「顧客価値駆動型開発プログラム」は、

顧客価値を創造することだけでなく、

このように製品とユーザーの関係性を合理的に検討する手段としても有効である。


以上が、

MEME TECがご提供する

「顧客価値駆動型開発プログラム」を

用いた設計へのご支援のご紹介である。



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