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形式知化と顧客価値設計の実務視点

日本の製造業は、長年にわたり「現場力」と呼ばれる強みを培ってきました。

熟練者の暗黙知に基づく改善や細やかな対応は、

世界的にも高い評価を受けてきました。


しかし近年、人材不足や世代交代により、

その暗黙知が失われるリスクが顕在化しています。

知識をいかに組織に定着させ、持続的に活用できるかが喫緊の課題です。


ここでSECIモデルが有効となります。

SECIモデルは、暗黙知と形式知の相互変換を通じて

知識を組織的に創造するプロセスを説明します。

「共同化」では体験やノウハウを共有し、

「表出化」では言語や図表により形式知化します。

「連結化」で既存知識と組み合わせ、

「内面化」を通じて再び暗黙知として習得します。

このサイクルが回り続けることで、知識は単発的に消費されるのではなく、

組織能力として積み重なっていきます。


一方で、形式知化された知識は単に蓄積するだけでは価値を生みません。

そこにCVDDの発想が必要となります。

CVDDは顧客価値を中心に据えて知識や技術を再編成する枠組みであり、

形式知を顧客価値に結びつける「翻訳作業」と言えます。


たとえば製品の設計要件を検討する際に、

単なる性能指標ではなく「顧客が感じる安心感」「作業の効率性」

「アフターサービスの容易さ」といった価値基準で知識を整理します。

これにより、知識は顧客の文脈に即した形で活かされます。


SECIモデルが知識の変換メカニズムを提供するのに対し、

CVDDは知識を評価・選択するための価値基準を与えます。

両者を組み合わせることで、知識が顧客価値という軸でフィルタリングされ、

不要な複雑さや形式知の肥大化を防ぐことができます。


実務的に見れば、これは「顧客価値を判断基準とした知識マネジメント」です。

実際の現場では、品質不良や設計ミスといった問題の背後に

「顧客価値の捉え違い」が潜んでいることが少なくありません。

SECIモデルだけでは知識の伝達や形式知化に注力しすぎて、

顧客価値との接続が曖昧になりがちです。

逆にCVDDだけに依拠すると、価値の定義は明確でも、

それを実現する知識の流れが弱くなります。

したがって両者を統合的に運用することが、

知識経営と顧客価値経営を両立させる鍵となります。


知識をいかに形式知化するか、形式知をいかに顧客価値に結びつけるか。

この二つの問いを往復しながら組織を設計することこそ、

これからの製造業や中小企業が競争力を維持するために必要な姿勢です。

知識を価値に変える回路をいかに整えるか。それが経営に問われています。


ミームテック技術士事務所では、

SECIモデルを基盤とした知識マネジメントと、

CVDDに基づく顧客価値設計の両立を現場で実現するお手伝いをしています。

知識を価値につなげる仕組みづくりに関心をお持ちの方は、

ぜひミームテック技術士事務所にお問い合せください。


エージェントAI・Masaもお問い合わせをお待ちしております

 
 
 

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