早く、そして遠くへ

「早く行きたければ一人で進め、遠くまで行きたければ皆で進め」

というアフリカの諺があるようだ。

字面を追いかけると、多様性の重要性といったことが、

何となく、諺の言わんとすることはなのかと感じることができる。

多くの諺は、複数の教えや意味を持っていて、

表面的に感じることだけで解釈を終えるのはもったいない。

この諺の面白いところは、

「一人」と「皆」という対義語を使いながら、

「早く」と「遠く」が対義語になっていないことにある。

「皆」の対義語が「一人」であることは異論のないところだろう。

しかし、「早い」の反対語は「遅い」であり、

「遠く」の反対語は「近く」である。

この対義語の関係にない「早く」と「遠く」を

対義語である「一人」と「皆」の枠組みに押し込んだことに、

この諺の狙いの何かを感じる。

プロジェクトにおいては、

品質(Q)、予算(C)と納期(D)が管理の重要項目である。

プロジェクトが進行する中での様々な事象は

全てこの3つの項目(QCD)の検討の上で処理されることになる。

様々な事象を処理する場面でQCDは

板挟み(ジレンマ)や三竦み(トリレンマ)の状況を創り出す。

望ましくない事象の発生しているプロジェクトを

納期通り完了させるために、

多くのリソースを投入することで予算にしわ寄せされ、

リソースを抑えようと機能や検査項目を必要最小限に絞り込めば

品質に将来的な懸念を残すことになる。

このようなジレンマやトリレンマの発生を最小限にすべく、

プロジェクト管理においては、

プロジェクトの出来るだけ早い段階に、

QCDの優先順位を決めておくことが推奨される。

さて、もう一度、諺を眺めてみる。

プロジェクトの観点でみると、

「一人」と「皆」は予算(C)の視点であると読める。

「早く」も納期(D)の視点である読むことができる。

「遠く」は、遠くにある目指すべき到着地と読み広げると

機能や信頼性といった品質(Q)の視点が見えてくる。

さらに、別の見方を加える。

「一人」が表していることは、

単に個人の一人を指しているだけでなく、

メンバーが一体となったチームの状態をも

指しているのだと考えることができる。

つまり、より早く目指すべき到達点に至るためには、

「一人」といえるようなチームとしての一体感が不可欠なのだと読める。


「皆」と表現していることは、

チーム自体を指しているのではなく、

チームのメンバー一人ひとりを指していると読むことができる。

つまり、「遠く」にある目指すべき到着地に行くためには、

一人ひとりが自分の役割を果たすことが必要であることを

示唆している。

プロジェクトの管理項目はQCDであるが、

QCDの一つ一つのありたい姿を実現させるのは、

個の力とチームの力であり、個の力とチームの力のバランスである。

このことをこの諺は伝えているように思う。

SE-AP Coachingは、

チーム、プロジェクトと組織の個別の構成メンバーの

モチベーションと能力を最大限に引き出しながら、

チーム、プロジェクトと組織のありたい姿を

実現するためのツールである。

諺の教えを実践するツールであると考えている。

以上が

MEME TECの

ありたい姿へのアプローチである。


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