「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ」という格言があります。
この格言の解釈は、
魚を欲している人に、魚ではなく、
魚の釣り方を教えることで、技術を習得させて、
将来も魚を獲ることができるようにすることが大事である、
が一般的でしょうか。
魚を与えられた人は、
求めれば、魚は与えられるものだと思い、
いつも魚を求め続けるます。
そしていつしか、
与えられた魚に不満を持ち始め、
魚を与えてくれている人への感謝を忘れてしまいます。
そして、別の魚を与えてくれる人を探すことになる。
魚が欲しかったはずが、
魚を与えてくれる人が欲しくなります。
魚をモチーフにして話を展開すると
分かりやすく、支援とは何かを納得をいただけるでしょうか。
しかし、現実に目を向けると状況は簡単ではないでしょう。
多くの企業は、手近な回答を得るために支援を求めます。
企業支援のありたい姿とは何でしょうか。
魚を欲している企業に、魚の釣り方を教えるのが、
企業支援のありたい姿でしょうか。
どんなに崇高な、将来を見据えた考えがあったとしても、
支援する側が一方的に、
これが良いとして提供するものを
決めてしまうことが良いのでしょうか。
ある人が、偶々私が魚を持っているのを見て、
魚を欲しいと言ってきたとしたら、
どう対応するのが良いのでしょうか。
欲しいと言われている手に持った魚を渡しますか?
格言のように、魚を釣るための方法を教えますか?
私は、いずれも、選択しません。
まず行うことは、
何故魚が必要なのかを問い掛けることです。
その問いに対する相手の答えを受けて、
次のとるべきことを考えます。
空腹に耐えかねて目に映った食べ物として魚を求めたのかもしれないです。
持っていた魚の姿が美しく絵のモチーフにしたいのかもしれないです。
釣り上げられた魚を不憫に思い、
海に返すために魚を求めているかもしれないです。等々・・・・。
それらは、問い掛けなければ絶対にわからないことです。
答えによっては、2つの選択肢以外の、
例えば、魚の養殖方法を紹介することを
選択することが最善であることもあり得ます。
実際の現場においても、
企業様の欲しがっている解決策は、
偶々どこかで目にした何処かの他の企業が行なった方法であるかもしれません。
顧客管理システムを導入してうまくいっている企業の話を聞いて、
自社にも顧客管理システムを導入しようと考えている経営者に
どのように対応することが良いのでしょうか。
他の企業の成功事例に沿って、
同じシステムを導入する支援を行いますか。
いくつかの顧客管理システムの選択肢を揃え、
選択・導入の手順や選択・導入におけるポイントを開示しますか。
いくつかの支援の方法はあるのに、
単に目先の問題に目を奪われて、
目の前に見えているものを
解決策として求めているのかもしれません。
まず行うことは、問い掛けることだと考えています。
何故顧客管理システムを導入しようと考えたのか。
導入したシステムを活用して、
どのような企業を目指すのか。
このような問い掛けが必要な状況で、
支援を受ける側と支援する側の限られたリソースを有効に活かすのは、
診断だと考えています。
この診断は、
定型の質問票やチェックシートを用いるのではなく、
問い掛け、ヒアリングとインタビューで、
企業様の課題を掘り下げることです。
問い掛け、ヒアリングとインタビューによって課題を掘り下げる中で、
企業様の欲しているものが明確になってきます。
明確になったからといって、
すぐそれを提供するというのも、
私の考える支援ではありません。
明確になった欲しいものへ至るプロセスはいくつもあります。
いくつもあるプロセスの中から、
今企業様が選択可能な複数のプロセスを示すことが診断の結果になります。
常に、選択の権利は支援を受ける側が持ちます。
選択を支援する側に委ねることも、
支援を受けないと決めることも、もちろん選択の一つです。
真の支援には、支援に入る前に診断が必要だと考えます。
支援を考える上でのもう一つキーワード介入については、
またの機会に述べたいと思います。
以上が、
新規事業に取り組む企業様のための羅針盤と水先案内人MEME TECが
提供する支援と診断の考えです。
Commenti