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執筆者の写真Masa Murohashi

見えないものを見ようとして、

世の中の、身の回りのモノゴトには、仕組みがある。

例えば、ヤカンには本体、取手、蓋や注ぎ口があり、

それぞれが種々の材料でできていて、

それら各部分の組合せでヤカンという全体を作っている。

企業の組織も、営業、総務、人事や経理といった部署が

要素として相互に関連し合い、

会社という総体を作っている。

ヤカンの様に形があるものも、

企業の組織の様に形のないものも仕組みである。

この部分や要素が作り出す組合せや

総体といった仕組みのことを

構造という。

構造には、目的がある。

目的の実現のために構造がある。

ヤカンは、湯を沸かす目的を持ち、

企業の組織は、組織の目的達成のためにある。

構造を考える上では、

目に見える、形のあるものを扱う方が容易ではあるが、

世の中の多くは、目に見えない、形のないものであるため、

考える対象としては、目に見えない、形のないものの構造を

考える機会が多くなる。

形のあるものは形を図に描くことで、

まさにイメージを共有化できる。

目に見えないもの、形のないものは、

見える化というプロセスを経て、共有化を行う。

ツリー図やフローチャートは、

見える化のための一般的なツールである。

かつては、組織図と言えば、

ツリー図を用いて階層化した図を作成し、

従属関係を明確にしていた。

最近は、フラットな組織を意識して、

ネットワーク図を作成し、各部門間の関係性を明確にする

見える化を行う組織も多くなってきている。

それもこれも、今ある組織を組織の目的達成のために

見える化を共有するものである。

では、新たに構造を作り上げるためには?

目に見える製品であっても、目に見えない組織であっても、

構造を作り上げるプロセスは、一つである。

作り上げたい目指す目的を機能に展開し、

一つ一つの機能を、構造を構成する要素に変換していく。

最後に、個々の要素間の関係性に沿って繋いでいくことで

構造が出来上がる。

製品を実現するためにも、

新たにゼロから組織を考えたり、

今ある組織を改革したりするためにも、

このプロセスは、

検討の途中段階を振り返ることが容易で、

常に目的を意識した検討を可能するため、

構造を作り上げるには、有効である。

この先には、

個々の要素の機能を実現するための要素ごとの構造を考え、

個々の要素の具体的な実現手段を考えるプロセスがある。

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