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顧客価値創出のためのDX戦略への心得と実践 その3

その3

ビジョン、DX戦略書の具体的な検討をファシリテーションする際の考え方として

参考になれば幸いです。

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DX戦略書策定においては、

「ビジョン」、「妥当性確認」と「繰り返し」がポイントになります。

ビジョンを検討し、DX戦略に落とし込み、

DX戦略に記述した内容とビジョンを突き合わせて、

妥当性確認を行いながら、

ビジョンとDX戦略の記述内容のブラッシュアップを繰り返します。


・ビジョンの具体と抽象、詳細化

ビジョンの深堀のための考え方は、

(その1)「ビジョンの考え方」で示しましたが、

別の観点から検討することもビジョンを深掘りするためには不可欠です。


観点とは、具体と抽象です。

具体と抽象の間を行き来することでべつの観点が生まれます。


具体としては、

当たり前のことだとして具体的な文言にしていない内容はないかを探ります。

つまり、自社の当たり前や業界の慣例など、

本来ビジョンとして明確に記述すべきことで、

ビジョンの中に隠れて見えない文言を見つけ出して、具体的に記述します。

さらに、ビジョンから具体的な顧客のイメージを描くことと

顧客に提供する価値を明確にします。


一方で、ビジョンの抽象化は、

ビジョンをキャッチフレーズで表現する(⚪️⚪️に⚪️⚪️を⚪️⚪️する企業)ことで実施します。

ビジョンをキャッチフレーズにうまく落とし込めないのは、

ビジョンを具体化して、目の前の存在として理解することが十分でないと考えて、

ビジョンの具体化を再度行なってください。


次に、ビジョンの詳細化を行います。

ビジョンが実現している状態(ありたい姿)では、

営業、購買や製造といった各部門が

どのような活動を行なっているか

それぞれの部門同士がどのように繋がっているかを検討します。

バックキャスティングをきちんと意識して、

活動と繋がりを具体的に記述することを進めることが大切になります。

ここで、詳細化をうまく検討することができないのであれば、

具体と抽象に立ち戻る判断が必要になります。


ビジョンの詳細化を終えた上で、

未来での各部門と活動と繋がりを実現するための課題を抽出します。

できるだけ多くの課題を抽出することを目指し、

ブレストの要領で様々な観点から課題を見つけ出していきます。


・妥当性確認(Validation)

妥当性確認は、具体的な取り組みが目的に合致しているかを確認することです。

「正しいこと」の確認になります。


抽出した課題を具体的なDX戦略に落とし込む前に、

課題を整理することが必要になります。

整理の手順としては、

近い内容の課題を集めて、いくつかの課題の塊を作り、塊にラベル付けします。

塊づくりとラベル付けは、

何回かの繰り返し(塊をばらし、再度組み上げ。付けたラベルを付けなおす)を経て、

納得のいくところでいったん終えます。


出来あがった状態を俯瞰し、詳細化したビジョンの内容と突き合わせることで、

向かう方向性を確認しながら、不足するラベル(塊)を考えながら、新しいラベルを追加します。

追加したいラベルが決まったところで、ビジョンに立ち返り、

不足するビジョンを追記し、課題抽出を再度実施します。


繰り返しを経て、課題の整理を終えます。


次の手順は、

課題整理の結果(問題空間)から、対策の方向性(解空間)を見つけ出していきます。

ここでは、改善活動の取り組みと同様に、

いきなり具体的なツール等を検討するのではなく、

課題と同レベルの抽象度に揃えて記述することやいくつかの課題への対策を考えることで、

問題空間に沿った解空間を作り上げていきます。

この手順でも、繰り返しを経て、解空間の策定を終えます。

出来上がった解空間を眺めながら、ビジョンとの突合せを行うことで、

方向性の確認を行います。


この先の手順としては、

ビジョンに記載した各部門の活動と各部門間の繋がりと

解空間で示した方向性を基にデジタル技術活用を踏まえて、

具体的な対策を検討していきます。


このように、

ビジョンの深堀・展開、課題抽出、対策の検討の各段階で、

妥当性確認を行っていくことで、目指すビジョンを実現する活動に繋がります。


・繰り返し

一般的にDX戦略書策定の手順としては、繰り返しを推奨されていますが、

繰り返すことの目的を明確にせず、繰り返しを推奨しても、

成果を得られずに企業様の負担を増すことになると考えます。

繰り返しの目的は、一般的には、手順や手法の習熟ですが、

DX推進では「妥当性確認」にポイントを置くことで、

意味あるDX戦略書を策定する方向に進められます。


繰り返しには、繰り返しのサイクルを小さく設定する繰り返しと

大きく設定する繰り返しがあります。どちらも一長一短あるので、

小さなサイクルでの繰り返しと大きなサイクルでの繰り返しを

意識的に使い分けることが必要になります。


妥当性確認で示したように、

分解・発散と統合・収束の各段階で小さなサイクルでの繰り返しを行いながら、

検討を進めていきます。

大きなサイクルでの繰り返しは、

実際のツール・システムを導入実施後、一定期間を経た後、

長期の目線でビジョンの実現に繋がっているかを確認し、

ビジョン、DX戦略書の再策定を行うことになります。

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