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ふるまいの秘密と本質

更新日:2022年5月26日

ふるまいは、一般的な言葉の意味では、

「動作、行動、挙動、もてなし」であるが、

「勝手なふるまいは許さない」や「亭主らしいふるまい」といった用例から、

立場や関係性が根底にあって使われる言葉であり、

単なる動作、行動、挙動ではないと考えている。


この事を別の言い方をすると、

ふるまいとは、立場や関係性という目に見えないモノが

目に見えるカタチになって現れる事であると言える。

更には、ふるまいという目に見えるカタチを扱う事で、

目に見えないモノを探る事が出来ると考えられる。


様々な製品においては、

目に見えないモノとは、製品を提供する側の考え(製品コンセプト)、思いや意識であり、

デザインを含む機能がその製品の目に見えるカタチ・ふるまいである。

製造業・メーカーが、

自社の製品の周辺に事業分野を広げるサービス化の動きが

始まってから随分になるが、

製品自身もサービス化が進んでいると考える。

製品自身が機能というサービスの集合体になっていると言うことである。


サービスの要素の一つに、顧客との共同作業がある。

サービスを提供する側と顧客(使用者)が

共同作業を行う事でサービスが成り立つと言うことである。

宿泊サービスを受けるには、

顧客(使用者)は宿泊施設に宿泊するという作業を受け持つことになるということである。

製品においても、

機能を機能のもたらす結果で定義するという考えではなく、

使用者がサービスとしての機能を

製品との共同作業として使う際の操作手順や使い勝手を含めて

機能として定義する事が始まっている。


サービスの品質は顧客が決めるというものも、

サービスの特徴と言われている事であるが、

この事も製品において、品質を考える際に、

品質は顧客が決めると言われるようになって来た。

これらの事が、UI/UXというのだと考える。


提供する側の製品の機能としてのふるまいと

使用者が製品を使う上でのふるまいがある。

提供する側が、

考え(製品コンセプト)、思いや意識をカタチにした機能としてのふるまいと

使用者が困りごとを解決し、要望を満たすためのふるまいである。


例えば、洗濯機は汚れた衣類の汚れを落とす目的を持つ製品である。

その目的のために、洗濯機を提供する側が、

考え(製品コンセプト)、思いや意識を様々な機能にして提供する。

風呂の残り湯を使う機能、洗剤や柔軟剤の必要量を計って必要なタイミングで投入する機能や

温風で洗い終わった洗濯物を乾燥する機能の一つ一つが、

洗濯機のふるまいである。

一方で、使用者は、汚れた衣類の汚れを落とすために洗濯機を使う。

使用者は、洗濯機に衣服を入れ、必要な手順で操作を行い、

洗濯機が洗濯を終えた後で洗濯物を洗濯機から取り出すことで

汚れた衣類から汚れを落とす目的を果たす。

この一連の洗濯機との操作、行動ややりとりが使用者のふるまいである。


製品のふるまいと使用者のふるまいが一致し、

一貫性・整合性を持つことが製品品質・顧客満足へと繋がる。

従来は、製品を提供する側が、

自社の技術で出来る事を機能として提供する開発や

使用者の要望を機能として実現する開発を行ってきた。

しかし、これらの開発に行き詰まりを感じている現状がある。


では、使用者のふるまいとは何か?

使用者のふるまいは、

使用者の持つ目に見えないモノ(意識・無意識)が

目に見えるカタチとなったものである。

意識から現れるふるまいは、

使用者自身が要望として説明ができる。

しかし、無意識の中に存在するモノは、

要望として顕在化する事はない。

この使用者の無意識から現れるふるまいが、

使用者のふるまいとしては重要であると考えている。


特に、無意識の中でも、人間の無意識の深層に存在する、

個人の経験を超えた先天的な構造領域である集合的無意識と

その無意識を、

世代を超えて伝える文化的遺伝子MEME(ミーム)が重要であると

考えている。

顧客価値駆動型開発では、

デザイン思考での観察を通して、

構造とふるまいにより、

様々な場面でのふるまいを集合的無意識へと掘り下げ、

新たな氣づきに至ることで、

製品を提供する側が使用者のふるまいへと到達する事を

期待できると考える。

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