top of page

毎週末更新中
検索


なぜペーパーレス化が進まないのか
「社長、また申請書の印鑑が足りないって総務から電話です」 「え、昨日ハンコ押したよ。どこ行ったんだ?」 「たぶん旧版のフォーマットで出し直しになってます」 朝の会議前、そんなやりとりを聞きながら、 社長は小さくため息をつきました。 DX推進会議で「来期こそペーパーレス化を」と宣言してから、もう半年。 クラウドストレージを導入し、電子承認システムも試験運用を始めました。 それでも、なぜか紙が減らないのです。 印刷機のトナーの減りは相変わらずだし、 机の上には結局、書類の束が積まれていきます。 現場からは「使いにくい」「結局紙のほうが早い」といった声が上がり、 社内に漂う空気はどこか白けています。 社長は思う。「これ、うちだけが抱えている問題じゃないな?」と。 実際、多くの中小企業が同じ壁にぶつかっています。 ペーパーレス化の本質は「紙を減らすこと」ではなく、 「情報の流れを変えること」です。 ですが、多くの取り組みではこの視点が抜け落ちています。 たとえば、請求書のやりとりを電子化する場合、 紙で回していたときの「確認」「
読了時間: 3分


ペーパーレス化の先にある業務デザイン改革
〜知識共有が変える組織のかたち〜 「社長、ペーパーレス化は一応完了しました。でも、正直、仕事はあまり楽になっていません」「え? 紙が減れば効率も上がると思っていたんだが」「書類はクラウドで共有できるようになりました。でも、誰が何を判断しているのか、かえって見えにくくなった気がします」 このやり取りは、ある中小企業の現場マネージャーと社長の本音です。ペーパーレス化は一見、DXの成功事例に見えます。 しかし、その裏で新しい課題が浮かび上がります。それは「情報はデジタル化されたが、知識が共有されていない」という問題です。 紙がなくなれば、仕事のスピードは上がります。 しかし、紙には“人の思考の跡”が残っていました。余白のメモ、朱書きのコメント、印鑑の順番には 意思決定の微妙なニュアンスが宿っていた。デジタル化によってその“余白の知”が失われると、 情報はあっても「なぜそう判断したのか」が分からなくなります。結果として、仕事の属人化や、同じ失敗の繰り返しが起きます。 だから、ペーパーレス化の次に取り組むべきは「業務デザイン改革」なのです。それは単に業
読了時間: 4分


オノマトペを活かしてみよう
現場から経営層まで、多様な立場と専門性が関わるものづくりの現場では、 「伝えること」以上に「伝わること」が重要だと言われます。 けれども、専門用語や立場の違いによる認識のズレ、 あるいは感覚的な違和感の共有の難しさは、 開発や業務の現場においてしばしば問題を引き起こします。 こうした状況に対し、 ミームテック技術士事務所では「顧客価値駆動型開発」の考え方を基軸に、 技術と感性、経営と現場、企業と顧客のあいだにあるギャップを 橋渡しする支援を提供してきました。 その中で、最近注目している手法が、オノマトペの活用です。 オノマトペの活用において用いているのが、「オノマトペカード」になります。 オノマトペカードとは、 「ザラザラ」「ふわふわ」「ギュッと」「じんわり」など、 日本語の擬音語・擬態語=オノマトペを視覚的に提示したツールです。 言葉ではうまく説明できない使用感や印象、期待する効果や感情を、 誰もが直感的に表現・共有できる点が最大の特徴です。 ユーザーや顧客、あるいは他部門・異業種のパートナーとの共創の場においては、 専門用語に頼らずに感覚を共
読了時間: 4分
bottom of page