AIセンスが拓く中小企業の未来
- 価値創造_室橋雅彦
- 8月7日
- 読了時間: 3分
〜共創と価値創造の実践知〜
中小企業がAIを導入する際、
多くの経営者が最初に思い浮かべるのは
「業務効率化」や「人手不足の補完」ではないでしょうか。
もちろんそれらは経営上の重要な課題です。
しかし、AIの本質的な価値は、単なる効率化にとどまらず、
「これまで気づけなかった価値の発見」と
「新たな顧客価値の創造」にあります。
そして、それを可能にするのが「AIセンスを備えた共創の現場」なのです。
たとえば、中堅部品メーカーでは、
属人的な設計審査(DR)の議論に生成AIを取り入れ、
過去の設計変更履歴や不具合事例を自動的に整理・要約させる仕組みにより
業務の効率化を図ることを検討しています。
しかし、そこで真に成果を生むのは、単なる情報の整理ではなく、
「なぜその変更が必要だったのか」
「どのリスクをどう判断したのか」といった文脈的な知識を
対話によって掘り起こし、
AIの出力と照らし合わせながら新たな判断基準を構築できる点にあります。
このように、AIを通じて過去の知と現在の対話を結びつける営みが、
企業の設計品質を一段上へと引き上げているのです。
食品製造企業では、
生成AIを活用した「価値観ヒアリング支援ツール」により
顧客との初期の対話フェーズでAIが問いの補助を行い、
潜在的ニーズや不満点を引き出すことで、
開発初期段階から「本当に喜ばれる商品像」を
構想できるようになることを目指しています。
ここでもAIは「代わりに考える」のではなく、
「考えることを促す媒介」として機能しています。
つまり、AIセンスとは「使い手の想像力を広げる装置」としてのAIを、
いかに適切に配置するかのセンスでもあるのです。
このような事例から見えてくるのは、
「AIと共に考える組織」は、
単に技術導入スキルの巧拙で決まるものではないということです。
むしろ、「学びを価値に変える組織文化」、「対話を恐れない関係性」や
「問いを共有できる思考様式」といった、
日々の営みそのものが、AIによる価値創出の基盤となります。
中小企業においては、経営者と現場の距離が近く、
意思決定の柔軟性が高いからこそ、この変化を迅速に起こすことができます。
では、御社の持つ、この強みに目を向ける活動を具体的にどの様に実践するか。
「正解のある業務」から「意味を共に創る営み」へとシフトすることが、
AIセンスによってもたらされる最も大きな価値です。
その価値を具体的にどの様にして最大化するか。
これからの中小企業に求められるのは、
単なるAI導入の可否ではなく、
「AIを使って、どんな未来を共につくるのか」を描く力なのです。
いち早くこの力を御社のものにするか。
こういった「強み」、「価値」や「力」の一つひとつに対応することだけでなく、
それぞれの関係性、関連性を考えて取り組むこともAIセンスの使い方になります。
ミームテック技術士事務所では、
AIセンスの観点から企業のありたい姿を実現する活動へのご支援を
御社にあったプロセスで行っております。
ご興味をお持ちいただけたのであれば、
お氣軽にお問い合せいただけますと幸いです。




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