Spin-Off 壁打ち対話コーチング（その２）

〜あなたに必要なのは壁打ちなんですか？〜

前回の記事では「壁打ち・対話・コーチング」を

“一粒で三度美味しい”と表現しました。

料理の比喩でいえば、

ひとつの食材を工夫すれば前菜にもメインにもデザートにもなりうる、

そんな奥行きがあるというお話でした。

今回は、タイトルにもあるように

「あなたに本当に必要なのは、壁打ちなのですか？」という問いを

投げかけてみたいと思います。

壁打ちという言葉はここ数年で一気に広まりました。

とくに経営者やリーダーのあいだでは、

「ちょっと壁打ちさせてください」と言えば

「アイデアや考えをざっと口に出して整理する」という意味で通じます。

ひとりで頭の中にため込んでいたことを外に出すだけで、

意外なほどすっきりする。

自分が考えていることを相手にぶつけると、思考が目に見える形で整理される。

これが壁打ちの大きな効能です。

ただし、ここで立ち止まって考えていただきたいのです。

果たして、あなたの課題やモヤモヤに必要なのは「壁打ち」だけなのでしょうか。

壁打ちは、テニスの練習に例えるとわかりやすいかもしれません。

壁に向かってボールを打ち続けるとフォームは安定しますし、リズムも整います。

ひとりで手軽にできる練習としてはとても有効です。

でも、壁打ちだけで試合に勝てるでしょうか？　

本番で相手の球筋や風の流れを読むことはできるでしょうか？　

壁打ちは、あくまで基礎の整理と確認にすぎないのです。

経営者やリーダーの思考に置き換えてみましょう。

アイデアを言葉にして外に出すだけで整理できることもありますが、

実際の経営課題はもっと複雑です。

相手がいて、環境が変わり、状況は常に揺れ動きます。

壁打ちで出てきた考えをさらに深め、広げ、行動にまで落とし込むには、

やはり「対話」や「コーチング」といった次のステップが必要になります。

壁打ちでは「自分の中の言葉を出す」ことが中心です。

対話になると「相手からの反応を通じて考えを広げる」ことが可能になります。

そしてコーチングに至ると、

「自分の内側にある答えを深く引き出し、実際の行動につなげる」ことが

できるのです。

ですから、「壁打ちが必要だ」と感じたとき、

その奥にある本当のニーズを探ることが大切です。

単に整理したいだけなのか、それとも視点をずらして新しいヒントを得たいのか。

あるいは、行動に踏み出す決断を支える伴走が必要なのか。

この問いかけは、ちょうど料理をオーダーする場面に似ています。

「今日は軽くつまみたいだけだから前菜で十分」というときもあれば、

「しっかりエネルギーをつけたいからメインが欲しい」というときもあります。

さらに、あなただけのために特別にあつらえた素材を目の前で調理するコース料理をデザートまで堪能することが必要な時もあります。

壁打ちは前菜のようなもの。対話がメインディッシュで、

コーチングはデザートまでを楽しむコース料理にあたります。

どれかひとつでも美味しいのですが、

本当に必要なのはどの料理なのか。そこを考えることが肝心です。

また、壁打ちだけで満足してしまう危うさもあります。

アイデアを話してすっきりした瞬間は気持ちいいのですが、

それで行動に結びつかないケースは少なくありません。

経営者やリーダーにとって本当に必要なのは「実際に変化を起こすこと」。

つまり、思考を整理すること自体ではなく、その先の実践です。

対話やコーチングのプロセスでは、わざと質問をずらすことがあります。

たとえば「この新規事業をどう進めるか」という話をしているときに、

あえて「そもそもなぜこの領域なのか」と原点を突くような問いを投げかけます。

するとクライアント自身の思考のフレームが揺さぶられ、

新たな気づきが生まれます。

これは壁打ちだけでは生まれにくい効果です。

さらにコーチングでは、「あなたの中に必ず答えがある」と信じて伴走します。

経営者と同じベンチに座り、同じ景色を眺めながら、

しかし同じようには感じない。

だからこそ問いを投げ、整理を促し、

最後はクライアント自身が自分の答えに気づく。

その過程で得られる力は、ただの壁打ちでは得られないものです。

ですから、最初に戻ります。

「あなたに必要なのは本当に壁打ちなんですか？」という問い。

もしかすると必要なのは、もっと広く深いプロセスかもしれません。

壁打ちで満足するのではなく、

その先の対話やコーチングまでを見据えていただければと思います。

ミームテック技術士事務所では、

経営者やリーダーが本当に力を発揮できるようになるため、

経営者やリーダーの皆さまが抱える課題や思考の整理を、

壁打ち・対話・コーチングという三つのアプローチを通じて伴走しています。

答えはあなたの中にあります。

その答えを一緒に見つけ、行動につなげるお手伝いをしています。

ご関心のある方は、ぜひお氣軽にお問い合せください。

エージェントAI・Masaもご質問をお待ちしております