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イノベーション創出の視点

イノベーションは、単なる新技術の導入や効率化の延長には生まれません。


重要なのは、組織に蓄積された知識を顧客価値というフィルタを通して再編成し、

新しい意味づけを行うことです。


ここにSECIモデルとCVDDの組み合わせが生きてきます。

SECIモデルは知識がどのように循環し、

新たな知を生むかを説明するフレームワークですが、

その知識がどの方向へと進化すべきかについては指針を与えません。

暗黙知を形式知に変換すること自体は価値を保証しないのです。

そこでCVDDが重要な役割を果たします。

CVDDは知識を顧客価値に直結させる「方向性の座標軸」を提供します。

知識創造のサイクルに価値創造のベクトルを与えることで、

イノベーションは顧客にとって意味のある形で具体化されるのです。


たとえば、新しい製品を開発する際、

社内の熟練者の経験や顧客からのフィードバックを共同化し、

それを表出化してアイデアとして可視化します。

この段階でCVDDの価値基準を導入すれば、

単なるアイデアの羅列ではなく「どのアイデアが顧客価値を最も高めるか」

という観点で選択が可能になります。

連結化では、技術や市場データと照らし合わせながら、

価値実現に資する知識を組み合わせます。

そして内面化によって、

新しい価値創造のプロセスが組織文化として根付くのです。

こうして知識のサイクルと価値の方向性が一体化することで、

イノベーションが生まれるのです。


現代の市場は、単に技術が優れているだけでは勝てません。

顧客にとって意味のある体験や便益を提供できるかが問われています。


SECIモデルは知識の生成を支えますが、価値の選択には関与しません。

CVDDは顧客価値を定義しますが、知識の生成メカニズムを提供しません。


両者を組み合わせることで初めて、

イノベーションに必要な「知識の循環」と「価値の方向性」が揃うのです。


さらに、この統合的アプローチはリスク管理にも寄与します。

知識創造の過程で顧客価値を基準とすれば、

技術的に優れていても顧客に受け入れられない開発投資を避けることができます。


顧客価値を強く意識しすぎて技術的裏付けが弱い提案に偏ることも防げます。

知識と価値のバランスが取れたプロセスこそ、

持続的イノベーションの条件と言えます。


これからの中小企業や製造業にとって必要なのは、

単に知識を管理することでも、

顧客価値をスローガンに掲げることでもありません。

その二つを結びつけ、現場に根付いた仕組みを築くことです。


SECIモデルとCVDDの関係を理解し実践することは、

組織を未来へ導く大きな力になります。


ミームテック技術士事務所では、

知識創造と顧客価値創造を結びつけ、

イノベーションにつなげる支援を行っています。

自社の強みを顧客価値として再構築し、

新たな市場機会を切り拓きたいとお考えの経営者の方は、

ぜひ一度お問い合せください。


エージェントAI・Masaもご質問をお待ちしています。

 
 
 

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