共創と連携を考える
- 価値創造_室橋雅彦
- 9月6日
- 読了時間: 4分
何か新しいこと、あるいは今までと異なることを始める時、
私たちはつい計画通りに進めようとしたり、
明確な成果や目標を先に設定しがちです。
しかし、現実のイノベーションの現場では、
最初から全てを完全に予測することはほとんど不可能です。
この点で、
経営学や起業家研究で注目されている
「Effectuation(エフェクチュエーション)」という考え方は
非常に示唆に富んでいるのではないでしょうか。
Effectuationは、
限られた手持ちの資源や状況から柔軟に行動を起こし、
周囲との関係性を活かしながら結果を作り出すプロセスを重視します。
つまり、計画よりも行動、予測よりも適応が先行するアプローチです。
この考え方を理解する上で重要なのは、「独り善がりに進めない」という視点です。
新しい価値創造は、個人のアイデアや一方的な計画だけでは成り立ちません。
周囲との対話や連携、時には予期せぬ偶然の出会いが、新しい可能性を広げます。
ここでいう「周囲」とは、同僚や取引先だけでなく、
異業種の知識者、研究者、さらには消費者やユーザーまで含まれます。
直接的に関わる人もいれば、
間接的に影響を与え合う関係もあり、両者のバランスが価値創造の鍵を握ります。
では、どのようにしてその関係性を形にするのでしょうか。
まず大切なのは、ゆるやかで柔軟なネットワーク作りです。
形式的な組織や契約の枠組みだけでなく、
情報や知識のやり取りが自然に生まれる環境を意識的に設計することが求められます。
このゆるいネットワークは、時に偶然の出会いや新しいアイデアの触媒となります。
知のネットワークは、単に情報を集めるだけでなく、
異なる視点や異なる専門知識をつなぐ「橋渡し」として機能します。
その結果、個々の知識が単独で活用されるのではなく、
組み合わさることで新しい価値を生み出すことが可能になります。
共創と連携を考える際には、
既存のサービスと既存の需要を結ぶだけではなく、新しい価値の創出を意識することが重要です。単に効率化や既存市場の拡大を目的とするのではなく、
異なる領域や異なる主体が交わることでしか生まれない価値を見据えることが必要です。
例えば、製造業における技術とサービス業の顧客体験が結びつくことで、
新しいサービスモデルや製品価値が生まれるケースがあります。
この場合、既存のリソースや知識を再配置するだけでなく、
互いに学び合い、補完し合うプロセスそのものが価値創造の源泉になります。
また、共創のプロセスでは、リスクや失敗の可能性も受け入れる柔軟性が求められます。
新しいことを試みる際には、必ずしも全てが計画通りに進むわけではありません。
しかし、ゆるやかなネットワークを活かし、対話を重ねながら進めることで、
予期せぬ成果やアイデアの偶然の出会いを取り込むことが可能になります。
ここで大切なのは、完全な計画や制御を求めるのではなく、
変化を前提とした共創の枠組みを作ることです。
こうしたプロセスを具体的に進める上では、
まず自社内外の知識やリソースの棚卸しを行い、
どこに既存の強みがあるのか、どこに未知の可能性があるのかを明確にします。
その上で、異なる領域や異なる立場の人々と接点を設け、
対話や小さな実験を通じて価値の芽を育てていきます。
小さな成功体験や学びを積み重ねることで、ネットワーク全体が活性化し、
より大きな共創の機会が生まれます。
さらに、共創と連携を進める中で重要なのは、目的を共有しつつも柔軟性を保つことです。
目的が固定化しすぎると、異なる視点や新しいアイデアを取り入れる余地が狭まります。
逆に、目的の方向性を示しながらも手段や方法は柔軟に変化させることで、
参加者全員が創造的に関与できる環境が生まれます。
こうした環境こそが、新しい価値を生み出す共創の基盤になります。
ミームテック技術士事務所では、
このような共創と連携の考え方を実践的に支援しています。
企業や組織が抱える課題を単独で解決するのではなく、
異なる専門知識や関係者のネットワークを活用しながら、
新しい価値を生み出すプロセスをデザインします。
具体的には、知識や情報の可視化、ゆるやかなネットワークの構築、
共創を促すワークショップの実施、
さらにはEffectuation的なアプローチに基づく小さな実験の設計まで、
多面的にサポートしています。
新しいことを始めたいが、
どこから手をつけてよいかわからない、
既存のリソースを活かしながら新しい価値を生み出したいと考える
企業様にとって、具体的かつ実践的な支援をご提供いたします。
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