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多元的統合的に課題を達成する

目の前に課題が見えていると

その課題ばかりに注目し、その達成を図ろうとして

本来目指すべきところに至らない経験はありませんか?

これは多くの組織や個人が陥りがちな落とし穴であり、

技術的な問題解決においても頻繁に遭遇する状況なのではないでしょうか。


ある有名な物理学者が

「問題を作り出したのと同じレベルの思考では、

その問題を解決することはできない」という名言を残しています。


これは技術的な課題解決において極めて重要な示唆を与える言葉です。


「問題空間」と「解空間」の違いを理解するということです。


問題が発生している「問題空間」と解決策が存在する「解空間」は

本質的に異なる次元にあるということを表現しています。


問題空間では現象や症状に焦点が当たりがちですが、

真の解決策は、

往々にして問題空間を超えた抽象度の高い解空間に存在すると言っています。


例えば、製造現場で品質不良が多発している場合、

表面的には個別の不良要因に対処しがちです。

しかし、多元的な視点で捉えると、

作業手順、設備保全、人員配置、情報共有システム、

さらには組織文化といった複数の要素が相互作用していることが見えてきます。


現実の課題は単独で存在することは稀で、

多くの要素が複雑に絡み合った関係性の中で発生します。

一つの要素だけを改善しても、

他の要素との相互作用により期待した効果が得られないことがよくあります。


技術系プロジェクトにおいて、

技術的な優秀性だけでは成功しないのも同様の理由です。

課題を取り巻く様々な要素の関係性と相互作用に目を向けることの重要さです。


技術、コスト、スケジュール、品質、

そして人的要素やステークホルダーとの関係性など、

多元的な要素を統合的に管理する必要があります。


(発散思考と収束思考のバランス)

効果的な課題解決には、

発散的思考と収束的思考の適切なバランスが不可欠です。


発散思考の段階では、

既存の枠組みを超えて多角的に問題を捉え、

可能な限り多くの視点や解決策の可能性を探索します。

この段階では、一見関係のないような事柄からの類似性を探るアナロジーからのヒントも

重要な手がかりとなります。


アナロジーを用いてヒントを得るというのは、

交通渋滞の解決策を考える際、

血液循環システムや水の流れ、

さらにはデータ通信のパケット制御といった異分野からの

革新的なアイデアが解決の糸口になる可能性を考えることにあります。


収束思考の段階では、

発散した多様なアイデアを具体的で実行可能な解決策に統合していきます。

この際、抽象的な概念から具体的な実装まで、

異なる抽象度のレベルを行き来することが重要です。


多元的統合的な課題達成には、

具体的な現象から抽象的な原理を抽出し、

再び具体的な解決策に落とし込むという思考プロセスが欠かせません。


具体的な問題事象を観察し、そこから抽象的なパターンや法則性を見出す。

そして、その抽象的な理解に基づいて、

元の問題とは異なる具体的なアプローチを設計する。

このサイクルを繰り返すことで、

従来の延長線上にない革新的な解決策が生まれます。

具体と抽象を往復する思考プロセスということです。


多元的統合的な課題達成を実践するためには、

以下のような実践的なアプローチが有効です。


システム思考の導入: 

課題を単独の問題としてではなく、より大きなシステムの一部として捉える。

ステークホルダー分析: 

課題に関わる全ての関係者の視点や利害を考慮する。

時間軸の拡張: 

短期的な対症療法だけでなく、中長期的な根本解決を見据える。

異分野からの学習: 

自分の専門分野以外からのアナロジーや知見を積極的に取り入れる。


技術的な課題解決において、

単一の視点や手法にとらわれることは大きなリスクです。

多元的な視点で課題を捉え、異なる要素間の関係性と相互作用を理解し、

発散と収束、具体と抽象を往復する統合的なアプローチこそが、

真に価値のある解決策を生み出す鍵となります。


複雑化する現代の技術的課題に対しては、

このような多元的統合的な思考が今まで以上に重要になっているのです。


ミームテック技術士事務所では、

多元的統合的な思考によって具体的な課題を達成していくプロセスを

学びながら実践できるプログラムを提供しています。


多元的統合的な思考による課題達成のプロセスに

ご興味を持っていただけたのであれば、

お氣軽にお問い合せいただけますと幸いです。

 
 
 

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