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いまさらのSECIモデル
「暗黙知」や「形式知」という言葉を、ビジネスや製造現場で耳にされたり、 使ったりすることがあるのではないでしょうか。 暗黙知とは、熟練者が長年の経験で身につけた勘やコツのような知識で、 言葉では説明しにくいものを指します。 対して形式知は、 マニュアルや仕様書のように言葉や図で表現できる知識のことです。 どちらも組織にとって重要ですが、 課題はこの二つをどう結びつけ、共有して活用するかにあります。 ここで役立つのが「SECIモデル(セキ・モデル)」です。 これは、暗黙知と形式知を行ったり来たりさせながら、 新しい知識を生み出していく流れを示した考え方です。 大きく分けて4つのステップがあります。 第一に「共同化」で、暗黙知を直接共有します。 たとえば新人が熟練者の作業を隣で見て学ぶ場面がこれにあたります。 第二に「表出化」で、そのコツを言葉や図にして説明できるようにします。 第三に「連結化」で、他の情報や知識と組み合わせて体系化します。 最後に「内面化」で、整理された知識をまた自分の経験として体得していきます。この循環(サイクル)が回ることで、組
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イノベーション創出の視点
イノベーションは、単なる新技術の導入や効率化の延長には生まれません。 重要なのは、組織に蓄積された知識を顧客価値というフィルタを通して再編成し、 新しい意味づけを行うことです。 ここにSECIモデルとCVDDの組み合わせが生きてきます。 SECIモデルは知識がどのように循環し、 新たな知を生むかを説明するフレームワークですが、 その知識がどの方向へと進化すべきかについては指針を与えません。 暗黙知を形式知に変換すること自体は価値を保証しないのです。 そこでCVDDが重要な役割を果たします。 CVDDは知識を顧客価値に直結させる「方向性の座標軸」を提供します。 知識創造のサイクルに価値創造のベクトルを与えることで、 イノベーションは顧客にとって意味のある形で具体化されるのです。 たとえば、新しい製品を開発する際、 社内の熟練者の経験や顧客からのフィードバックを共同化し、 それを表出化してアイデアとして可視化します。 この段階でCVDDの価値基準を導入すれば、 単なるアイデアの羅列ではなく「どのアイデアが顧客価値を最も高めるか」 という観点で選択が可
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マネジメントリテラシーと生成AI
AIがビジネスや社会のあらゆる領域に浸透しつつある今、 マネジメントの前提も変わりつつあります。 これまでのマネジメントリテラシーは、 人と組織、資源とプロセスを適切に計画・実行・評価するための 知識と能力を指してきました。 しかし、AIが日常的に意思決定や価値創造に関与する時代においては、 その土台に「AIリテラシー」と「AIセンス」を加える必要があります。 AIリテラシーは、AIの仕組みや特性、限界を正しく理解し、 適切に使える知識とスキルです。 一方、AIセンスは、 AIの出力や可能性を状況や目的に応じて創造的に活かす感覚的な判断力です。 AIリテラシーが「知識」だとすれば、AIセンスは「感性」に近い存在です。 AIを正しく理解しないまま使うことは、 誤った判断や不必要なリスクを生む危険があります。 逆に、AIを単にデータ処理の道具としてしか見ない場合、 その潜在的な価値を活かしきれません。 AIセンスを持つことで、AIが生成するアイデアや洞察を、 人間の経験や現場感覚と融合させ、新たな発想や解決策へと変換できます。 この感性は、デザイン思
読了時間: 4分
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