M&A前夜_その3
- 価値創造_室橋雅彦
- 4 日前
- 読了時間: 3分
前回は「顧客価値」を再定義する重要性をお伝えしました。
自社が誰に、どんな価値を届けているのかが明確になったなら、
次に向き合うべきは「その価値をどう持続させ、広げていくか」
という外の世界との繋がりです。
今回のテーマは「共創連携の作法」。
囲い込みの殻を破り、外部と手を取り合うための「準備」についてお話しします。
M&Aという言葉を聞くと、
多くの経営者は「会社が丸ごと買い取られる(あるいは買い取る)」という、
資本の100%移動をイメージしがちです。
しかし、企業の持続可能性を最大化するための選択肢は、
決してそれだけではありません。資本提携に至る前の「共創連携」こそが、
実は今の時代において最も柔軟で強力な経営戦略となります。
なぜ「連携」が必要なのか。
それは、第2回で見出した「顧客価値」をさらに進化させるためには、
自社一社のリソース(経営資源)だけでは限界があるからです。
技術の進化のスピードは速く、顧客のニーズはさらに複雑化していきます。
すべてを自社で抱え込もうとする「自前主義」は、
持続可能性を阻む最大の足かせとなりかねません。
しかし、いざ「どこかと連携しよう」と思っても、
すぐにうまくいくわけではありません。連携には「作法」が必要なのです。
共創連携のための準備の核心は
「自社の弱さをさらけ出し、余白を作ること」にあります。
多くの経営者は、外部と対峙する際、
自社を少しでも大きく、強く見せようとします。
しかし、隙のない完璧な組織には、他者が入り込む余地がありません。
共創とは、パズルのピースを組み合わせるようなものです。
自社の強み(凸)だけでなく、自社には足りない部分(凹)を正直に認め、
それを補い合えるパートナーを探すこと。
この「凹」こそが、他社が共創に加わるための「隙間」になります。
この準備段階で行うべきは、自社のリソースを「強み」と「弱み」の両面で徹底的に棚卸しすることです。
· 私たちが得意なこと: この価値を届けるための「核」となる技術や信頼。
· 私たちが苦手なこと(あるいは持っていないもの): スケールさせるための販路、効率化するためのIT技術、あるいは次世代を担う若手人材。
この棚卸しが完了すると、M&Aの候補先を見る目も変わってきます。
単に「いくらで売れるか」ではなく、
「このパートナーと組めば、私たちが大切にしている顧客価値を、
今の10倍、100倍の人に届けられるのではないか」という
ワクワクするような視点が生まれるのです。
共創連携は、いわばM&Aの「プレ・プロセス」です。
資本でガチガチに固める前に、
まずはプロジェクト単位や業務提携で「一緒に汗をかいてみる」。
その中で、互いの文化が混ざり合い、新しい価値が生まれる手応えを感じる。
その延長線上に、資本提携やM&Aという選択肢が自然な形で浮上してくる。
これこそが、組織の拒否反応を抑え、持続可能な統合を実現するための王道です。
価値の囲い込みから「分かち合い」へ。
自社の価値を社会に永続させるために、誰にどのピースを埋めてもらうべきか。
その「隙間」をデザインすることこそが、
M&A前夜における経営者の最もクリエイティブな仕事なのです。
ミームテック技術士事務所は、
貴社が「どのような凹(弱み)」を認め、
それを「最高の凸(強み)」を持つパートナーと繋げるための
戦略立案を支援します。
次の一歩として、
貴社が「本当はやりたいけれど、自社だけでは実現できていないこと」を一つ、
リストアップしてみませんか?
その「未完の夢」こそが、共創の第一歩になります。
ご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合せください。




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